ビビる

つまらないいつもの日常。農高に通う友人が750ccのバイクで、やってくる。

私と口べたな友達たちは、原チャリやバイクに乗り、授業をシカトして競馬場へ向かう。私は友人の中型のバイクの後ろに乗る。バイパスの風は強い。フルフェイスではないメットには容赦なく強風が顔面に叩きつけられる。

普通クラスに通っている坊主頭の友人は、誰かが間違って捨てたかもしれない当たり馬券をゴミ箱などから漁る。私も少しだけ参加するが結構恥ずかしい。友人は、この方法で4万ゲットしていた。

馬券を買い、レース場へ。芝生と青空が気持ちいい。芝生に寝そべって競馬観戦。始めてみる馬の走りは迫力がある。誰も当たらない。唯一の真面目な友人は、金にもケチい。100円の馬券にマジで悔しがる。

ごった返す人混みを抜けて帰る。渡り廊下で何かバカデカイ音がする。私は体をびくつかせた。友人が笑う。ビビりすぎだ、と。