tarotarotaro勉強の場

ライター修行のためひたすら書きます!

閉鎖病棟

閉鎖病棟は鍵がかけられていて一度入ったら外に出られい。妄想で閉じ込められた。

 

毎日クソ暇である。楽しみといえば三度の給食だけ。あとはひたすら寝ているかグルグルまわるだけの家畜みたいな生活を送る。

 

長い間、同じ空間にいると仲間ができる。しかし、みんなどこかおかしいので、なかなか会話にならない。患者同士で連帯感のようなものもできあがってくる。

 

それは、看護師や医者に反抗するという絆で結ばれていることもある。自分はその輪には加わらなかった。お陰で、村八分にされた。なんだアイツは?と白い目で見られた。我関せずなんだよ、アイツは、と。

 

看護師は優しい。よく面倒をみてくれる。しかし、ひどく抵抗したことがあった。そんなときは、脇を抱えられ部屋に閉じ込められた。だから、男性看護師は力が強い。

 

小便が出なくなるという事態に陥った。薬のせいもあるかもしれないと言われた。トイレに長い間こもって闘った。看護師は不思議がっていた。

 

部屋の窓は完全に密封されている。看護師に反抗的な態度を取ると、マズイことになる。できるだけおとなしくしたがったほうが利口である。反抗した女性患者は、洗剤を、取り上げられてしまった。明らかに必要のない行為のように思えたが、おそらく見せしめのためだろう。

 

退院するときは、看護師、医者が温かく見送ってくれた。これからの人生を考えなければならなかった。とりあえず、外の空気を吸い、自由の風を感じた。朝ドラの絢香の主題歌がまだ耳に残っている。不安なような晴れやかなような不思議な気分だった。