課題

朝早く起きて釣りに出掛けた。まだ、辺りは薄暗かった。

メンツはいつもの三人だ。A、B、C。Aは太っている。自分お一番仲がいい。Bも野球部だ。坊主。ママチャリに乗っている。Cは私と同じ柔道部。背が高い。ちなみに私はチビだ。

港までチャリンコで一時間はかかる。非常に遠い。今思えばタフだった。今は到底できない。途中にキノコ型の家がある。ピンク色をしている。また、終わり頃には、地元サッカーチームの練習場がある。

防波堤に着くと三人はすぐに釣りの支度に取りかかった。袋から釣竿を取り出す。リールを装着する。糸に針をつけていく。

準備万端で、釣りに精をだす。寝る人間。お喋りをする人間。釣り人の野糞に驚く人間。様々だ。

しかし、釣果は０だ。この日まったく釣れなかった。こういう日は珍しくない。めいめい、終わりの支度にとりかかる。愚痴を言い合う三人。野糞はそこら辺のオッサンが出したものだろう。

いつものように帰路に着く。釣れるか釣れないかは、さしたる問題ではない。今思えば、同じ時間を共有できたということが良かった。バカバナシだ盛り上がるのは良いことだ。